詐欺事件として立件されたAIJ投資顧問

AIJ投資顧問は年金基金を中心に運用を行っていた投資顧問です。
公的年金基金からの預かり資産2100億円の大半を失ってしまっていたにも拘らず、240%の運用利回りを確保していたと虚偽の報告を続け、多くの年金基金に大きな打撃を与えました。
2つの年金基金に対して、このような虚偽の報告を行い、新たに資金を投入させた事が詐欺にあたると認定され詐欺事件として大きくクローズアップされました。
AIJ投資顧問は野村証券OBである高橋氏が社長で、その傘下にはベンチャーファンドなどの子会社があり、上場株式から、未公開株、デリバティブと幅広い運用を行っていました。
そもそも、ある程度の知識があるような運用者であれば、定常的に年率240%を叩きだすような運用は不可能だと気付くべきです。
AIJ投資顧問は、デリバティブを使いこのような運用利回りを確保していると説明していました。
しかし、デリバティブのリスクを考えるととても不可能な数字であり、他のファンドと比較して異常とも思える利回りですから、疑問に思わない基金の担当者の資質が疑問視される詐欺事件です。
そもそも、年金基金は通常長期投資のため、デリバティブのような短期投資には向かない運用なはずで、詐欺事件が発覚する以前の問題です。
確かに虚偽の報告をしたAIJ投資顧問が問題の原点ですが、年金資金を預かってどこに運用を任せるかを判断する側の資質の低さにも問題があります。
金融のプロが育たないと言われる日本の問題が露呈した、典型的なケースがこの詐欺事件とも言えます。
厚生年金基金制度を解散に追い込んだ、きっかけとなった事件ですが年金問題の根本的な部分には蓋をした格好で終結を終えています。